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本頁はシチズン製水晶製品の取扱いを正しくご理解頂き、ご使用時におけるトラブルの発生を防止するとともに、ご使用機器の信頼性を向上させることを目的としております。

1.水晶振動子の取扱い注意事項

I. 誤って落下させた時:〈水晶振動子全製品共通〉

水晶振動子は振動・衝撃に対して、ご要求の規格を満足するように設計し、製造しておりますが、誤って床などに落下させるような過度の衝撃を与えた場合はそのまま使用せず、必ず性能を確認の上ご使用下さい。

II. 半田付けする時:〈スルーホール実装タイプの場合〉

  • リード線を半田付けする場合、コテ先温度380ºC以下、3秒以内で付けて下さい。
  • 半田ディップによる実装方法の場合、260ºC以下10秒以内で半田付けを行って下さい。尚、水晶振動子は基板に立てた状態で半田ディップすることをおすすめします。また、水晶振動子を基板に横にして半田ディップする場合は、水晶振動子全体に熱が伝わらないようにして下さい。
  • 水晶振動子全体に熱が加わる場合(例えばリフロー炉等)は、保持器が非常に小型であり、また、半田による圧入方式であるため、性能が著しく劣化することがありますので、使用を避けて下さい。

〈表面実装(SMD)タイプの場合〉

  • 鉛半田対応の場合

    鉛半田対応の場合

  • 鉛フリー半田対応の場合(CM309Eを除く)

    鉛フリー半田対応の場合

  • 鉛フリー半田対応の場合(CM309E)

    鉛フリー半田対応の場合

III. リード線を曲げる時:〈シリンダータイプの場合〉

  • 水晶振動子を基板に横にして取付ける場合は、事前に水晶振動子のリード線の根元のガラスにクラックが入らないように、リード線の根元から1.5mm Min.(3.0mm推奨)離し、できるだけ治具を使用して曲げて下さい。尚、リード線根元から直接曲げることは避けて下さい。
  • 水晶振動子のリード線を曲げる際、リード線の半田メッキを削り取らないようにして下さい。

IV. 基板に実装する時:〈シリンダータイプの場合〉

  • 封止管の頭部を半田で固定することは性能が著しく劣化することがありますので避けて下さい。尚、固定する場合はゴム系接着剤にて固定することをおすすめします。

    図

  • 手作業でリードフォーミングする際は以下の通り行って下さい
    • 封止管を手で持つ
    • 細かいピンセットで曲げ部を持つ。
      曲げ位置は1.5mm以上ですが、手で曲げる場合は作業がやり易くなることと、ハーメチック部に負担がかからないことから出来ましたら3.0mm以上の場所で曲げることをおすすめいたします。
    • ピンセットでリードを押さえながら90゜曲げる。
      このとき、リードを引っ張ることがないよう充分ご注意下さい

    図

〈表面実装(SMD)タイプの場合〉

自動実装機をご使用の際は、予め使用する実装機による実装試験を実施し、特性に影響がないことを確認して下さい。実装後に基板の小割りをする場合は基板にソリが生じる工程で、ソリが製品の特性やはんだ付け状態に影響しないように十分注意願います。

V. 洗浄する時:〈水晶振動子全製品共通〉

  • 超音波洗浄については使用条件により水晶振動子が破壊される可能性がありますので、使用される前に必ず貴社洗浄条件にて確認下さるようお願いします。
  • 洗浄液についても使用される前に必ず貴社洗浄液にて、確認下さるようお願いします。

2. 水晶発振器の取扱い注意事項

I. 誤って落下させた時:

水晶振動子の取扱い注意事項1.を参照して下さい。

II. 半田付けする時:

半田付けする場合、260ºC以下×10秒以内または380ºC以下×3秒以内のいずれかで付けて下さい。リフロー条件例については、水晶振動子の取扱い注意事項1.〈SMDタイプの場合〉を参照して下さい。

III. 洗浄する時:

  • 超音波洗浄については使用条件により水晶振動子が破壊される可能性がありますので、使用される前に必ず貴社洗浄条件にて確認下さるようお願いします。
  • 洗浄液についても使用される前に必ず貴社洗浄液にて、確認下さるようお願いします。

IV. 基板に実装する時:

逆向きに実装すると誤動作及び破壊の原因となりますので、必ず方向を確認し、実装して下さい。

自動実装機をご使用の際は、破損のないことを確認の上、衝撃の少ない機種をご使用下さい。

V. 熱衝撃:

急激な温度変化の繰り返しは、内蔵している水晶振動子の劣化及び、パッケージ内のワイヤー断線をまねく可能性があるため、避けて下さい。

VI. 静電気:

過大な静電気が加わるとICが破壊されることがありますので、梱包及び運搬容器は導電性のものを使用して下さい。また、半田ゴテや測定回路等は高電圧リークのないものを使用し、作業時はアースを取って下さい。

VII. ノイズ:

電源及び、入力端子に過大な外来雑音が印加されるとラッチアップ現象及び、スプリアス現象を引き起こし、誤作動の原因となることがあります。また、本発振器の近くに高ノイズを発生するものを置かないようにして下さい。

VIII. 電源ライン:

電源のインピーダンスはなるべく低くなるように設計して下さい。安定動作のため発振器の電源端子(VDD端子とGND端子)のなるべく近い場所に、0.01μF~0.1μF程度のパスコンを付けて下さい。電源線(VDD、GND)は、太く短く配線して下さい。

IX. 出力ライン:

出力のラインインピーダンスの低減と、電磁波幅射の低減のため、出力負荷は、なるべく発振器の近くに実装して下さい。

X. 入力ライン:

OEは、内部でプルアップされていますが、ノイズ対策として低インピーダンスで使用するか、使用されないときはVDDに接続して下さい。

3. 全製品共通の取扱い注意事項

I. 保管する時:

高温、多湿の場所での保管は周波数精度の劣化や半田付け性の劣化の原因となりますので、直射日光の当らない常温・常湿で結露が発生しない場所で保管してください。

また、長期間の保管は避け、開封後は出来るだけ早めにご使用下さい。

注意事項

発振回路設計上の注意事項

発振回路の設計をする場合、水晶振動子の特性を最大限に活用できるよう、回路定数を最適な条件にする必要があります。

シチズンでは数々の経験に基づいて水晶振動子と発振回路のマッチングが最適となるよう、下記の特性について回路調査するサービスを行っております。この回路調査はお客様に水晶振動子をより安心してお使い頂くことを目的としております。

1. MOS型IC水晶発振回路

CMOS 水晶発振回路

CL 負荷容量
-R 負荷抵抗
Le 実効インダクタンス
Re 実効抵抗

2. 負荷容量 (CL)

負荷容量(CL) とは、発振回路において水晶振動子から発振回路側を見た実効的な外部容量で水晶振動子と負荷容量により共振周波数が決定します。
そのため、水晶振動子の負荷容量がご使用になる回路の容量と一致しない場合は周波数ズレが発生します。

3. 負性抵抗 (-R)

負性抵抗は発振余裕度とも言われ、回路側の発振起動性の良し悪しの一つの目安になります。負性抵抗の不充分な回路を使用すると、電源を投入しても水晶振動子の発振が起こらないという不慮の事故が発生することがあります。

4. 励振電流 (i)

励振電流とは水晶振動子に流れる電流を示します。過度の励振電流が水晶振動子に流されると次の不具合現象が起こる恐れがあります。

  1. 電磁波ノイズが強くなる。
  2. T/Fの場合、枝折れが発生する。
  3. 周波数温度特性の異常が発生する。
  4. 水晶振動子の特性変化が発生する。
    (周波数の変化・等価直列抵抗の変化、他)

5. 周波数-電源電圧特性

電源電圧の変化に対する周波数の変化率を表します。電源変動による周波数変化の原因は水晶振動子よりも回路側(特にIC)の要因が大きく、通常、電源電圧の±10%の変動に対する周波数変化率を±5ppm以内にすることが望ましいとされています。

6. 周波数-温度特性

温度の変化に対する周波数の変化率を表します。水晶振動子単体での周波数温度特性と発振回路全体での特性に大きな差が出ることがあります。

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7. 発振余裕度確認方法

  • 発振回路の発振余裕度が充分とれているか確認するためには、発振回路の負性抵抗(-R)を知る必要があります。
  • 水晶振動子に可変抵抗(VR)を直列に入れ、発振停止状態から発振開始するまで可変抵抗の値を変えていきます。発振開始時のVRの値が負性抵抗値(-R)となります。
  • 発振回路の発振余裕度を充分とるには、負性抵抗値が水晶振動子の実効抵抗値の5倍以上となるようにC1、C2、Rdを調整します。尚、車載等の高信頼性機器にご使用される場合は10倍以上とることをお奨め致します。

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