水晶のカットとその種類
切断方位、振動姿態と周波数範囲の関係
切断方位 | 振動姿態 | 周波数範囲(kHz) | 容量比(C0/C1) | |
---|---|---|---|---|
AT | 厚みすべり振動 基本波 | 800~5,000 2,000~80,000 |
450~300 220 |
|
3次オーバトーン | 20,000~90,000 | n2 x 250 n: オーバトーン次数 |
||
5次オーバトーン | 40,000~150,000 | |||
7次オーバトーン | 70,000~210,000 | |||
BT | 厚みすべり振動 基本波 | 厚みすべり振動 基本波 | 3,000~30,000 | 650 |
XY | 屈曲振動(音叉) | 16~150 | 425~800 | |
縦振動 | 600~3,000 | 400 | ||
DT | 輪郭すべり振動 | 100~500 | 400 | |
CT | 150~850 | 350 | ||
SL | 180~700 | 400 |
水晶振動子の等価回路
水晶振動子は、その主共振周波数の近くで下図のように、通常、インダクタンス、容量及び抵抗の直列回路と、これに並列に容量を接続した電気的等価回路で表すことができます。
ここでC0は、電極間の静電容量に端子間の浮遊容量が加わったもので、一般的に並列容量といわれています。
L1及びC1は、水晶振動子の電気機械振動系としての等価定数で、そのカットの種類、切断角度、水晶片の外形寸法、電極の構造などから決定され、再現性がありますので、高精度で製造できます。
R1は、振動の損失を表しますが、これは振動子の加工方法、保存方法、形状寸法などの条件に左右されます。
L1は等価直列インダクタンス、C1は等価直列容量、R1は等価直列抵抗と呼ばれています。
L1 | 等価直列インダクタンス |
---|---|
C1 | 等価直列容量 |
R1 | 等価直列抵抗 |
C0 | 並列容量 |
電気的等価回路は、L1、C1、R1及びC0で構成され、互いに関連しており、これらの関係は次式で示されます。
共振周波数は で表されます。
また、水晶振動子の性能を表すものとして、次のようなものがあります。
切断方位と周波数温度特性
水晶振動子のカット方位と周波数温度特性の関係
音叉型振動子の周波数温度特性例
ATカット振動子のカット角度と周波数温度特性の関係
測定回路図
CSX-750F
*1
390Ω | CSX-750(FC) |
---|
*2
50pF | CSX-750(FC) |
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30pF | CSX-750(FB, FJ) |
15pF | CSX-252F |
出力波形図
クロック用発振器の出力波形図
測定条件
- オシロスコープ・入力インピーダンス: 1MΩ以上・入力容量: 15pF以下・周波数帯域: 500MHz以上・プローブのアースリードは極力短くして下さい。
- CLはプローブ容量を含みます。
- 1点アースとして下さい。
- 電源インピーダンスは極力小さくし、(0→0.9Vdd)の立ち上がり時間は、150μs以上。
- 電流計は内部インピーダンスの小さいものを使用して下さい。